予防接種
予防接種
*母子手帳をお忘れになると接種できません!ご注意ください。
当院は、さいたま市の定期予防接種実施医療機関です。14:00~15:30は完全予約制の予防接種・乳幼児健診専用の時間帯となっており、診察室も一般外来の診察室とは別にご用意しましたので、初めて予防接種を受ける赤ちゃんも安心してご来院できます。
予防接種は種類も多くスケジュール管理は複雑で非常にわかりづらいです。事務職員・看護師も含めて全ての病院スタッフが個々のワクチンについての知識を共有し、適切な接種時期や間隔、注意点などについてのご案内をいたします。
さいたま市以外にお住まいの方でも当院で予防接種は可能です。あらかじめお電話でご確認していだだくよう宜しくお願い申し上げます。
なおこの時間帯での発熱等の患者さんの直接のご来院は、くれぐれもなさらないようにご注意ください(診察はできかねます)。
接種する前に、接種間隔・接種回数に間違いがないか母子手帳にてしっかり確認したうえで接種を行っています。万が一間違いがあった場合、適切な免疫がつかなかったり定期接種での接種ではなくなってしまう(自費接種扱いになってしまう)のを防止するためです。このような理由から母子手帳をお忘れになった場合は接種を見送らせていただきますので忘れずに必ず持参をお願いいたします。
また、定期接種の予診票はさいたま市から郵送されてきます。待ち時間の短縮とスムーズなご案内のためあらかじめ予診票の必要箇所をご自宅で記入してのご来院をよろしくお願いいたします。
スタッフの肖像権保護と院内の個人情報保護のため、診察室内での写真および動画撮影はご遠慮いただいております。ご理解のほどをどうぞよろしくお願いいたします。
生後2か月から予防接種がスタートします。当院では日本小児科学会が推奨する予防接種のスケジュールを基本にして、以下のスケジュール表の接種をお勧めしております。
ご不明な点や心配なことがございましたら、何なりとお問い合わせください。打ち忘れた予防接種でも、スケジュールを組み直して打つことが可能な場合がございますので、遠慮なくご相談ください。
【当院でお勧めしている標準的なスケジュール】
2か月 | 肺炎球菌①・B型肝炎①・五種混合①・ロタウイルス①(飲むワクチン) |
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3か月 | 肺炎球菌②・B型肝炎②・五種混合②・ロタウイルス②(飲むワクチン) |
4か月 | 肺炎球菌③・五種混合③ |
5か月 | BCG(いわゆるハンコ注射) |
7か月 | B型肝炎③(B型肝炎①から5か月後) |
1歳 | 肺炎球菌④・麻しん風しん混合①・水痘(みずぼうそう)①・おたふく①(任意) |
1歳半 | 水痘(みずぼうそう)②(①から半年後)・五種混合④ |
3歳 | 日本脳炎①②(2週間程度間隔をあけて2回接種) |
4歳 | 日本脳炎③(②の1年後) |
年長 | 麻しん風しん混合②・おたふく②(任意)・不活化ポリオ(任意)・三種混合(任意) |
9歳 | 日本脳炎④ |
11歳 | 二種混合(ジフテリア破傷風混合) |
小学6年~高校1年 | 子宮頸がんワクチン(筋肉注射) *12歳~15歳未満2回接種、15歳以上3回接種 |
任意接種のワクチンなど接種料金を確認したい場合は、お手数ですがお電話にてご確認ください。大人の方も同じ料金で接種できます。
※以下のワクチンはインターネット予約はできません。ご希望の方は、お電話もしくは窓口での予約が必要です。お取り寄せ注文となりますので申し込み後の体調不良等による延期は可能ですがキャンセルはできませんのでご注意ください。
ロタウイルスのワクチンは、ロタリックスとロタテックの2種類ありどちらも公費の定期接種となっています。それぞれ一長一短があり、一概にどちらが良いとは言えません。ロタウイルスにはいくつかの種類があり、ヒトに胃腸炎を引き起こすタイプのロタウイルスは全部で5種類存在します。
ロタリックスはヒトのロタウイルス胃腸炎で最も検出されるタイプの1種類のロタウイルスを弱毒化したもので、交差免疫により他の4種類のロタウイルスに対しても効果があるとされています。一方、ロタテックは弱毒化した5種類のロタウイルスを含むワクチンで、ヒトに胃腸炎を起こすほぼすべてのタイプのロタウイルスをカバーしています。カバー範囲に関しては単純に1対5なのでロタテックの方に軍配が上がります。
次に、両者の製造方法を見てみましょう。ロタリックスはヒトのロタウイルスでもっとも検出されているタイプのロタウイルスを細胞培養により弱毒化したもので、元はヒトに感染するウイルスのためヒトの腸管で効率よく増殖するため2回の接種でも充分に効果があり、さらには1回接種のみでもある程度の免疫がつくともされています。一方、ロタテックはウシのロタウイルスにヒトロタウイルスの遺伝子を組みこんで作られたもので、もともとがウシに感染するウイルスのためヒトの腸管での増殖が悪く3回飲む必要があります。以上より、増殖効率という点ではロタリックスに軍配が上がります。
最終的にロタウイルス胃腸炎の予防効果としてのデータでは、どちらも同じような数字が出ております。効果にそれほど大きな差がないのならば2回接種で完了するロタリックスの方が煩雑さはないだろうという理由で、当院では特にご指定のない場合は2回接種のロタリックスとさせていただいております。もちろん3回接種タイプのロタテックも可能ですので、ご希望の方はお電話でご依頼ください。ただし、ロタテックの場合、お取り寄せ注文となるため返品ができません。注文後の患者さん都合でのキャンセルはできませんので充分にご注意ください。
子宮頸がんの原因の大部分がヒトパピローマウイルスというウイルスの感染が原因であり、このウイルスは性経験のある女性の半数以上が生涯で一度は感染し、感染すると感染持続状態となり子宮頸がんや肛門がん、膣がん、尖圭コンジローマなどを引き起こします。このヒトパピローマウイルスの感染を防ぐワクチンが子宮頸がんワクチンであり、小学校6年生~高校1年生相当の女子を対象に定期接種が行われています。現在イギリスやオーストラリアでは約8割の女の子がワクチン接種を受けており、世界120カ国以上で使用されている非常に重要なワクチンです。
ヒトパピローマウイルスは100種類以上の型が存在し、そのうちがんを引き起こすタイプは15種類存在します。その中でも子宮頸がんの原因の約70%が16型、18型によるものです。6型、11型は尖圭コンジローマの原因となります。子宮頸がんワクチンにはもともと16型、18型、6型、11型の4つの型を含む4価のガーダシルと16型、18型の2つの型のみを含む2価のサーバリックスの2種類ありましたが、ガーダシルの4つの型に加えてさらに31型、33型、45型、52型、58型の5種類の高リスク型が追加された9価ワクチンのシルガード9が日本でも承認され、2023年4月から定期接種となりました。5種類が追加されることにより子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの約90%がカバーされることになります。
ヒトパピローマウイルスの感染経路は性的接触と考えられているため、当院では定期接種可能な小学6年生になったらただちに接種しなければいけないとは考えておりません。子宮頸がんワクチンを接種する際には、お子さんにワクチンの目的と必要性についてしっかりと説明し、本人も接種に納得した上でいらしてもらうことが接種後のワクチン反応の減弱にもつながるものと考えております。ワクチンについて詳しい説明をお聞きになりたい方は、事前にご相談いただければ対応いたします。
このウイルスは一度感染してしまうと感染持続状態となってしまうため、ワクチンは感染前に接種することが大事であり感染後のワクチンの効果は期待できません。ワクチンの接種は性行動が活発となる前の年齢に接種することが大事ですので接種するタイミングが遅れないように充分に注意してください。
【シルガード9の接種スケジュール】
シルガード9は年齢によって接種回数が異なります。
①9歳~15歳未満の女性:初回接種から6~12か月の間隔をあけて2回目接種の合計2回の接種が基本となります。
②15歳以上の女性:初回接種から2か月後に2回目接種、6か月後に3回目接種の合計3回の接種となります。
ポリオは、感染者の腸の中で増えたポリオウイルスが便を介してヒトの口から感染し、腸の中で増えたウイルスが脊髄の一部に入り込んで手や足に麻痺を引き起こします。主に乳幼児が感染することから「小児まひ」とも呼ばれていますが、成人にも感染し、成人で発症した場合の死亡率は15~30%と非常に高率となっております。
日本では1980年の1人を最後に現在まで患者の発生はないのですが南西アジアやアフリカ諸国ではポリオが流行している地域があり、現在のグローバル化の状況を鑑みると流行地へ渡航した人の便中からポリオウイルスが排出されて日本でも感染が広がる可能性は充分に考えられます。
2018年8月に日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールが改訂され、不活化ポリオワクチンの就学前追加接種が任意接種に追加されました。不活化ポリオワクチンは四種混合ワクチンに含まれ、1歳までに3回接種、1歳半ころに4回目の接種が行われます。4回目の接種後、抗体価は徐々に減少してしまうため抗体価を再び上げてポリオの発症を防ぐために、5~6歳での5回目接種が推奨されるようになりました。接種は任意接種(自費接種)となりますので、ご希望の方はお問い合わせください。なお、体調不良による延期の場合を除き注文後の患者さん都合でのキャンセルはできませんのでご注意ください。
もともとワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類ありましたが、m-RNAワクチンは最近になって開発されたワクチンでこれらとは全く別の機序で免疫を誘導します。
まず、生ワクチンですが代表的なものに麻しん風しんワクチン(MRワクチン)、おたふくかぜワクチン、水ぼうそうワクチンがあります。病原性を弱めた生きたウイルスや細菌そのものを体内に接種し、実際にこれらの病気に罹らせ免疫をつけさせます。病原性を弱らせたとはいえ実際に病気に感染させるため強力な免疫がつく一方で、MRワクチンならば軽い「はしか」にかかった状態となって、発熱したり発疹がでたりすることがあります。
不活化ワクチンは、感染力をなくしてバラバラのパーツだけにした病原体や中身だけ取り除いた抜け殻だけの死んだウイルスなどを体内に接種し免疫をつけさせるもので、ウイルスは死んでいるため生ワクチンとは異なりワクチン接種でこれらの病原体に実際に感染するリスクはゼロですが、生きた病原体そのものを使う生ワクチンよりも免疫をつける効果は劣り、何回か接種しなければ抗体がつかなかったり、接種してもうまく免疫がつかない人が一定の割合で存在します。
最後にm-RNAワクチンです。コロナウイルスの表面にはスパイクタンパクという特徴的なトゲが存在します。このトゲに対する抗体をヒトの体の免疫細胞に作らせれば実際にコロナウイルスが体内に侵入したときに、トゲを攻撃目標に体の免疫が反応してコロナウイルス自体を効率よく排除できるだろうという原理です。
ここで、コロナ表面のトゲそのものを注射する(これはウイルスのパーツを注射して免疫を誘導する不活化ワクチンの原理)のではなくて、ヒトの体の中でトゲを作らせてウイルスが実際に感染したときと同じような状況、すなわちウイルスに感染すると細胞が乗っ取られてウイルスが勝手に自分を大量複製する時の状況と似たような状態を作り出して効率よく免疫を誘導しようという発想がこのワクチンの最大の特徴であり、体内でトゲを作らせるような指令が書き込まれている命令書がm-RNAワクチンなのです。
まず、命令書(m-RNA)が破損しないように大事に脂の膜で包みます。次にそれを筋肉注射にて体内に打ち込みます。体内に侵入した命令書は人の細胞内に侵入し、細胞内のタンパク生成工場(リボソーム)に向かいます。タンパク生成工場は自分の司令部(DNA)から命令書が来たと勘違いして、命令書に従いコロナウイルスのトゲをせっせと作ります。命令書はミッションを終えると数日で分解され体内には残りません。この作られたトゲに対して体の免疫細胞は、ウイルスに細胞が乗っ取られて勝手にトゲを作っていると考え、トゲを敵とみなしてトゲに対する抗体を大量に作ります。この抗体が、実際にコロナウイルスが体内に侵入したときにコロナを攻撃する免疫として効率よく働きます。
もちろん、m-RNAワクチンによって実際に作られたものはコロナウイルスそのものではなくウイルスのトゲだけなので、ワクチン接種によりコロナウイルスに実際に感染するわけではありません。
m-RNAのメリットはその原理が非常にシンプルであるため、ウイルスに変異が起こった時にまた一からワクチンを設計して作り直す必要はなく、変化した部分に対応するように命令書(m-RNA)を書き換えればいいだけなので、比較的簡単に新しいワクチンに作り直すことができる点があります。デメリットとしては、m-RNAは構造上不安定なので温度管理や衝撃に対する管理が難しいことがあげられます。また、新型コロナワクチンは臨床試験では有効性と安全性がきちんと確認されて薬事承認されたワクチンですがワクチンとして充分な歴史がないため長期的な副作用については未知の部分も多く、また新しいワクチンや新薬の歴史を振り返ってみても実際に一般に広く流通して多くの人たちに投与されて初めて分かってくる副反応や副作用の存在もあるため、そのような点は今後の課題であると思います。
おたふくかぜはムンプスウイルスが引き起こす感染症で、典型的な経過としては「ある日突然発熱して片方の耳の下の顎が腫れて痛くなる。2~3日くらいたったら反対側も腫れてくる。熱は数日で下がったが両あごの下はおたふくのお面のようにぷっくり腫れてしまい、1週間くらいしてようやく腫れがおさまり回復する」といったイメージです。多くの人はこのような比較的軽症の経過をたどるため重い病気である印象を持っている人は多くないのですが、実はおたふくの怖さはさまざまな合併症を引き起こす点にあります。
最も多い合併症は、髄膜炎です。髄膜炎は10~100人に一人の割合で見られ、1週間くらいつづく高熱と激しい頭痛、嘔気・嘔吐に襲われます。特効薬はなく、治療は脱水にならないように注意しながら自分の免疫がウイルスを排除してくれるのをひたすらじっと待つだけです。
その他に精巣炎や卵巣炎が有名ですが、最も重大な合併症は難聴です。おたふくかぜに感染した人の1000人に一人の割合で発症し、難聴は一度なってしまうと基本的にもう元に戻ることはありません。日本耳鼻科学会が2015~2016年に行った全国調査によると、2年間で実に330人近くがおたふくかぜによる難聴になったという報告をしています。
おたふくかぜにはいまだに治療薬はなく、このような重大な合併症を予防する目的にワクチンがあるのですが、残念ながら現在日本では定期接種になっておりません。実はかつて日本独自に開発した麻しん・風しん・おたふくかぜの混合ワクチンである「MMRワクチン」というワクチンが存在し、1989年に定期接種化され、多くの子どもに接種されたのですが髄膜炎や脳炎が多発したため1993年に中止となってしまいました。以後、麻しん・風しんはMRワクチンとして定期接種となっておりますが、おたふくかぜワクチンはいまだに任意接種(自費接種)のままです。
現在使用されているおたふくかぜワクチン株はMMRワクチンのときに用いられたものとは異なるもので、しっかりした製造工程に基づく約40年の歴史のあるワクチンです。弱毒化させた生きたムンプスウイルスによる生ワクチンですので、本物のおたふくと同じように髄膜炎を引き起こすこともゼロではありませんが、その頻度はおたふくに自然感染した場合よりはるかに低いため、過剰に心配しなくてもよいかと思います。それよりも回復する可能性の高くない難聴になってしまうリスクを防止するメリットのほうが優っていると考えています。
おたふくかぜワクチンは1回接種では不十分で、きちんとした免疫をつけるには2回接種が推奨されます。おたふくかぜワクチンを定期接種にしている国の多くは2回接種です。おたふくに罹ったことのある人に接種してしまっても免疫力が強化されるだけで健康上特に問題はございませんので、罹ったかどうか覚えていない人やあいまいな人(片方の耳の下が腫れたことがあったけれど熱もなく3日程度で腫れもなおってしまったことがある→「反復性耳下腺炎」というおたふくとは別の病気であった可能性が高いです)は特に血液検査は不要でワクチンを接種することをお勧めいたします。
日本脳炎は、コガタアカイエカという蚊に刺されて日本脳炎ウイルスが感染することにより発症する病気で、多くは何も症状がなく終わってしまうのですが感染者の100~1000人に1人の割合で脳炎症状を発症し、発熱・頭痛・嘔吐症状からさらにはけいれん、意識障害をきたします。脳炎を発症した場合の死亡率は約30%で、生存例でも半数近くが後遺症を残してしまいます。 日本脳炎ウイルスはブタの体内に生息しており、ウイルスを持ったブタの血を吸ったコガタアカイエカがヒトを刺すことにより感染するもので、ヒトからヒトへの感染はありません。すなわち日本脳炎は、ウイルスに感染したブタが飼育されている養豚場とコガタアカイエカが生息している水田や沼地の近くに居住していると感染するリスクが高まるといえます。 コガタアカイエカは主に水田・池・沼のような広い水面で繁殖する夜行性の蚊で、日本全国に生息しています。感染しているブタについてですが、国立感染症研究所のデータ(「ブタの日本脳炎抗体保有状況」と検索すると国立感染症研究所の詳しいデータが見られます)によると、日本脳炎ウイルス抗体陽性のブタは九州・四国などの西日本に多く、実際の患者分布と一致しています。 以上のことから基本的にさいたま市内にお住いの限りは日本脳炎に感染するリスクは低いと思いますが、2015年にお隣の千葉県で生後10か月の男の子が日本脳炎に感染し脳炎を発症して非常に重症になってしまった事例があり、決して安心はできません。日本脳炎はいまだに特効薬はありませんがワクチンで予防が可能な病気です。忘れずにワクチンの接種を行いましょう。 なお、標準的な初回接種は3歳からとなっているため当院でもそのようにご案内をしておりますが、接種自体は生後6か月から可能です。3歳未満で接種する場合はワクチンの接種量が0.25mLと3歳からの接種量0.5mLの半分の量となりますが、抗体のつき方には差はないとの報告がございます。感染がご心配な方や日本脳炎の流行地域に転居される方は遠慮なくご相談ください。
予防接種を受けた当日も入浴は可能です。安全のために、入浴は接種後1時間以上経ってからとしてください。
お風呂では接種したところに貼ったシールをはがしてください。長期間貼っておくと皮膚がかぶれることがあります。
入浴時は接種した部位を強くこすりすぎないように注意してください。
37.5度以上の発熱がある場合や、明らかに具合が悪い場合は接種ができません。咳や鼻水などがみられる場合は、症状が軽度であれば接種できます。
同時接種は安全に行うことができます。複数のワクチンを同時に接種してもワクチンによる副反応の割合が増えることはありません。同時接種をすることでより早期にワクチンを接種することができる、クリニックに行く回数が減る、などのメリットがあります。とはいえ1回に何本も注射を打つことに抵抗がある方もいらっしゃることは重々承知しています。当院では個々のスケジューリングについては柔軟に対応していきたいと思いますので、遠慮なくご相談ください。
接種後30分間程度は急なアレルギー反応が出ないか特に注意してください。接種当日〜翌日に熱が出ることがありますが、通常1日程度で下がることが多いので熱以外元気であれば様子を見ていただいて構いません。接種当日は激しい運動を避けてください。
肺炎球菌ワクチンは子どもの髄膜炎の予防に非常に重要なワクチンですが、発熱と接種部位が赤くはれる割合が他のワクチンに比べて比較的高いです。
37.5度以上の発熱は約3人に1人程度の割合でみられ、打った日の夜か翌日朝ころに38℃前後に上がるケースが多いです。通常は発熱以外は比較的元気で何もしなくても半日~1日程度で解熱しますので心配いりません。熱以外に、嘔吐や哺乳不良などの症状がございましたら医療機関への受診をお願いいたします。
接種部位の赤みと腫れは接種当日の夜くらいからみられ、その後赤みは消えてしこりとして残ります。しこりが完全に消失するまでには数か月~1年くらいかかりますが、いずれ消えますので心配いりません。
まず、鶏卵と関連があるワクチンは、麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)、おたふくかぜワクチン、インフルエンザワクチンの3つです。
このうち麻しん・風しん混合ワクチンとおたふくかぜワクチンはいずれもワクチンを製造するために使用するのは鶏の胚細胞であり、そもそも卵アレルギーの鶏卵タンパクは含まれていないので心配いりません。
問題はインフルエンザワクチンです。確かに鶏卵タンパクは含まれてはいるのですがその量が1mlあたり数ng (1ng=0.000000001g) という非常に微量であり、通常通り接種して反応がでる可能性は極めて低いと考えられています。すなわち卵アレルギーを持つ人がインフルエンザワクチンで卵白アレルギー反応が出る割合は、卵アレルギーのない人と比較してとくに高くなるわけではありません(100%安全なワクチンですと言っているわけではなく、リスクは卵アレルギーのある人とない人で差はありませんよという意味です)。つまりワクチンそのもののなんらかの成分に対してアレルギーを起こす可能性は理論上ありますが、それは卵アレルギーの有無とは無関係であり卵アレルギーがあるという理由によりインフルエンザワクチンが打てないということにはなりません。
以上から当院では麻しん・風しん混合ワクチン、おたふくかぜワクチン、インフルエンザワクチンのいずれも卵アレルギーがあっても卵アレルギーがない人と同じように接種を行っています。
原則としてできません。最近は予防接種の本数が多いため、お一人お一人にかかる接種時間も増えています。少しでも多くの方に接種をしたいので、予防接種枠は接種本数とかかる時間を計算して時間きっちりまで予約の方を受け付けています。そのため、予防接種の時に診察も希望される場合には原則として一般診療時間枠での改めての診察となりますことをご了承ください。なお、予防接種予約枠に余裕がある日の場合はその限りではありません。
日本小児科学会が作成している診療指針に従い、当院ではコロナに感染した場合その後通常の予防接種を受ける間隔として、コロナの症状消失後2~4週間程度開けることを目安としています。接種間隔に迷う場合はご遠慮なくお問い合わせください。
9~14歳の女性を対象に2回接種の臨床試験が行われ、その結果、2回接種でも3回接種と同等の免疫が得られることが分かりました。実際にアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの諸外国では、15歳になるまでに1回の接種を終えていれば2回で接種完了としています。これに基づいて日本でも9~15歳未満の方は、2回接種が基本となっています(ご希望があれば3回接種にすることも可能です)。
予防接種と乳幼児健診のご予約の確認は前日まではWeb予約画面の「現在のご予約状況」欄で確認ができますが、当日になりますと当院のシステム上、この欄から予約項目が消えてしまい確認ができなくなります。
しかしこの場合でも予約自体がキャンセルになっているわけではございませんので安心してご来院ください。当日、ご自身の予防接種や乳幼児健診の予約の再確認をしたい場合には、お手数ですがお電話にてお問い合わせ下さいますよう宜しくお願い申し上げます。