小児科|たけのここどもクリニック|さいたま市北区の小児科・アレルギー科

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小児科

小児科|たけのここどもクリニック|さいたま市北区の小児科・アレルギー科

小児科一般診療

発熱、咳、鼻水、のどの痛み、嘔吐、下痢、腹痛、湿疹、便秘、夜尿症など一般的なこどもの病気の診療を行います。こどもの病気のことならどんな些細なことでも遠慮なくお気軽にご相談ください。専門的な診療が必要と判断した場合には、適切な医療機関を速やかにご紹介させていただきます。
診療は予約を取られた方から順番に行いますが、呼吸が苦しい、けいれんしている、意識がない、生後3か月未満の発熱のような場合はすぐにスタッフにお伝えください。確認し必要性に応じて順番を前倒しして診察いたします。その際、お待ちの方には大変ご不便をおかけすることになりますが、どうぞご理解ください。

夜間や休日に医療機関を受診する必要があるかどうかの目安についてはこども医療でんわ相談の#8000または下の日本小児科学会が作成している「こどもの救急」をご参照ください。さいたま市の休日・夜間急患診療体制については下記の「☆さいたま市の休日・夜間救急診療のご案内」をご参照ください。

☆さいたま市の休日・夜間救急診療のご案内

診療内容

医学の進歩とともに以下の説明内容も変わっていく可能性があることをご容赦ください。

発熱

一般的に37.5℃以上の体温を発熱と考えます。お子さんが生後3か月を過ぎているならば、熱が高くても比較的機嫌がよく、食事・水分が取れている場合は急いで受診をしなくても大丈夫ですが、生後3か月未満の発熱は全く別対応となります。この年齢の発熱は重症なことが多く、基本的には入院して検査・治療が必要となるケースが多いため、夜間でも翌朝まで待たずに医療機関を受診してください。
発熱で受診される場合には、1日3回の体温記録表(院内に備え付けがあります)をつけて受診されることをお勧めいたします。熱型表により病気が現在どの段階にあるのか予測がつき、治療方針を立てるのに大変役に立ちます。少々面倒かもしれませんが、ご協力を宜しくお願いいたします。

けいれん

けいれんとは脳細胞が異常興奮した状態で、突然手足をガクガク震わせたり硬く突っ張ったりして、視線は合わず眼は上や横を向いてしまう状態となります。
けいれんが起きたら平らな場所に寝かせて、嘔吐したときに吐物が詰まらないように体を横向きにします。決して口の中にハンカチなどを入れてはいけません。時刻を確認し5分以内に自然に止まるけいれんについては、あわてずにけいれんが止まった後に自家用車での受診で大丈夫ですが、5分以上続くときは救急車を呼びましょう。
ただし、けいれんが起きた直後に5分以内に止まるけいれんなのかどうかは誰にも(医師でも)予測がつきません。特に初めてのけいれんならばけいれんがおきた時点で5分間待たずに即座に救急車を呼んでも構わないと思います(上記の「こどもの救急」のサイトの内容とは異なりますが)。このとき精神的に余裕があれば、動画を撮影しておくと診断に役に立ちます。
なお、解熱剤(熱冷まし)にはけいれんを予防する効果はありません。

咳・鼻・のどの症状

咳、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、胸のゼーゼーなどに対応します。咳が多くても水分や食事がとれていて、しっかりと睡眠がとれているならばすぐに受診しなくても大丈夫ですが、肋骨と肋骨の間がベコベコとへこんでしまうような呼吸の仕方(陥没呼吸といいます)であったり、バウバウと大型犬が吠えるような咳(クループ症候群といいます)が止まらないときは、夜間でも受診が必要です。
他の病院でお薬を処方してもらっているのになかなかよくならない咳などの場合にもご相談下さい。なお当院にはレントゲン検査の機械はありませんのでご了承ください。

おなかの症状

嘔吐、下痢、腹痛などの症状に対応します。こどもの嘔吐・下痢症状の多くはウイルス性胃腸炎が原因で、特効薬はなく迅速検査を行う医学的意義にも乏しいため、嘔吐が1~2回で消失しその後しばらくしたら水分が取れるようになった場合にはいそいで受診をする必要はありませんが、繰り返し止まらない嘔吐の場合には比較的短時間で脱水症をきたすことがありますので、自宅で様子を見ずに医療機関への受診が必要です。
発熱があり強い腹痛と何度もトイレに行くような下痢がある場合には、食中毒などによる細菌性腸炎の可能性があるためご相談下さい。また、歩くとおなかに響くような比較的強い腹痛の場合も虫垂炎などの可能性があるため早めの受診が必要です。
おなかの症状により漢方薬が適切と思われる場合には積極的に使用しています。

皮膚の症状

皮膚の乾燥、乳児湿疹、あせも、とびひ、じんましん、アトピー性皮膚炎などこどもの皮膚の症状について幅広く対応しています。近年、環境の変化などによる原因から乾燥肌、乾燥性湿疹をきたしているこどもが大変増えています。これには新生児期からの正しいスキンケアの知識が重要ですので、具体的な詳しい方法については遠慮なくご相談ください。

じんましんは小児では比較的おこしやすい印象があり、原因は風邪などのウイルス感染によるものや温まったり冷えたり、汗などの刺激による一過性のことが多く、治療は抗ヒスタミン薬の内服が有効です。じんましんの7~8割ははっきりした原因が不明で、「食品の~~を食べると毎回じんましんが出る」「~~のお薬を飲むといつも体がかゆくなる」といったような出るタイミングにはっきりしたエピソードがある場合以外はアレルギー検査で原因が判明するじんましんは実際にはほとんどありません。”当てずっぽう”に血液検査を行ってもお子さんに痛い思いをさせてしまうだけであまり有用な情報を得られないことも多いのです。じんましんの原因がはっきりしないと不安になると思いますが、その点をどうかご理解いただけますようお願いいたします。

水いぼについては、治療を行わず様子を見ていても半年から2年くらいで自然になおります。治療を行う場合には当院ではヨクイニンというハトムギの生薬の内服や、院内販売の水いぼクリーム(自費)での内科的な治療が中心となります。摘除を希望される場合には皮膚科へのご相談をお願いしております。
やけどや切り傷などの外傷につきましては傷跡を残したり処置が必要となるケースが多いため、皮膚科や外科への受診をお勧めいたします。

便秘症

排便の回数には個人差があるため、毎日排便がなくても例えばいつも2日おきにいっぱい出ていて機嫌もよく、食欲もあり、腹痛もなく排便時にお尻が切れるなどの症状もない場合には特別な治療は必要ありません。ただし、腹痛やお尻の出血など排便による何らかのトラブルがある場合には、たとえ毎日排便があったとしても「便秘症」として治療の必要があります。
近年、食生活や運動不足などの生活環境の変化やストレスの増加などにより便秘の患者さんが成人も小児も大変増えています。便秘は治療開始が遅れれば遅れるほどおなかが便秘の状態に慣れてしまい頑固な便秘になってしまうため、治療期間に時間がかかるようになります。
便秘のお薬にはいろいろな種類があり、「飲み続けるとクセになる」というようなことのない安全性の高いお薬もございますので、お薬を飲んで毎日良い状態の排便があるということは決して悪いことではありません。お心当たりのある方は、お気軽にご相談ください。

夜尿症

夜尿症の定義は、「5歳を過ぎても1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続くもの」とされています。患者さんの割合は7歳で10%程度あり、その多くは年齢とともに自然に治りますが10歳を超えても5%前後、中学生でも1~3%程度あり、まれながら成人になっても持続する例もあります。
生活指導をはじめとする治療により自然経過に比べて治癒率を2~3倍高めることができ、治癒までの期間が短縮するとされています。
当院では6歳までのお子さんに対しては基本的に生活指導のみで経過をみていきます。6歳を過ぎている場合にはまずは正しい生活改善の取り組み方を詳しくご説明し、生活指導のみで改善が乏しい場合には抗利尿ホルモン薬による内服治療や夜尿アラームによるアラーム療法を検討します。
夜尿症は放置をしておいても命にかかわるような病気ではありませんが、夜尿症のこどもは夜尿のないこどもと比較して自尊心が低くなる(自分に自信が持てない)との報告がございます。親御さんだけではなく本人も困っているなどの場合にも、是非ご相談ください。夜尿アラームは、装置のレンタル申し込みのご案内も取り扱っておりますのでお気軽にご相談ください。

【初回診察の問診】
初回診察の問診では以下のようなことをお聞きします。あらかじめ回答をご用意しておくと診察がスムーズに進みます。初回診察の後、早朝尿の検尿のご説明もいたします。
①生まれてからずっと夜尿が続いていますか? それとも6か月以上夜尿のなかった期間はありましたか?
②日中におもらしをしてしまうことはありますか? あるいはゲームなどに熱中しているときにおしっこを我慢して体をもじもじさせてしまうようなことがありますか?
③夜尿の回数は1週間に何回程度ですか?
④ご両親やご兄弟に夜尿の既往歴のある方はいらっしゃいますか?
⑤すでにご家庭で水分制限などの生活習慣の改善に取り組んでいたり、他の医療機関で薬物治療などを受けた経験はありますか?
⑥いびきや睡眠時無呼吸の症状、尿路感染症の既往歴はありますか?
⑦毎日の排便の様子はどうですか? お子さんの便の回数や便のかたちについて質問いたします。

漢方薬

最近はこどもでも強いストレス下にさらされており、慢性的な腹痛や頭痛、だるさ、疲れやすさなどを訴えて相談される方も増えてきています。いわゆる西洋薬は、基本的に鎮痛剤ならば「痛みを止める」、制吐剤ならば「吐き気を止める」などの単一の作用に特化してる傾向があり、漠然とした幅広い症状には対応が難しく薬の種類ばかりが増えてしまうこともしばしば経験されます。そのような場合に複数の生薬から構成される漢方薬が意外なほど効果を発揮する場合がございます。
漢方薬は苦いといったイメージをお持ちの方も多いと思いますが、自分に合った漢方薬は意外なほどまずく感じません。身構えずに「まずは試しに飲んでみる」という気楽なスタンスでよろしいかと思いますので、興味を持たれた方はご相談ください。一緒に良い方法を考えていきましょう。

実施可能な検査と迅速検査

外注の検査会社と提携して行う検査

  • アレルギー抗体検査
  • ウイルス抗体検査
  • 細菌培養検査
  • PCR検査など

何も症状のない方の「念のためのアレルギー抗体検査」は医学的な意味に乏しく保険適用もございませんので当院ではお勧めしておりません(例:今のところ特に何も症状はないけれど、親が甲殻類アレルギーなので心配なのでアレルギー検査をしてほしいなど)。

当院のPCR検査は外注検査となります。検体を検査センターに輸送しての検査となりますので結果は最短でも翌日以降、休日等を挟むと2日以上かかることをご了承ください。

 

院内で行う検査

  • 迅速抗原検査(新型コロナウイルス、インフルエンザ、溶連菌、アデノウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、水ぼうそう)
  • 高感度迅速検査(インフルエンザ、マイコプラズマ)
  • プリックテスト
  • 血球CRP測定器による迅速血液検査
  • 血糖値測定
  • 尿検査など

近年、様々な迅速検査キットが開発されており、便利ですので検査をする機会が増えてきておりますが、迅速検査にはそれぞれ細かい保険上のルールが存在します。
医師の治療方針に関わらない検査、例えば本人は元気で特別な対応は必要ないけれど保育園から検査を要求された場合や単純に患者さん都合による検査希望の場合などでは保険適用外となり自費検査になるケースがあることにご注意ください。
なお、レントゲン検査、心電図検査、呼吸機能検査、超音波検査は当院では実施できません。

新型コロナウイルス感染症

ヒトに感染するコロナウイルスは風邪症状を引き起こすウイルスとしてもともと4種類知られており、その後2002年に発見されたSARS-CoVが5番目、2012年に発見されたMERS-CoVが6番目、そして2019年中国武漢市で発見されたSARS-CoV-2(いわゆる新型コロナウイルス)が7番目のコロナウイルスとなります。現在、日本でも小児の感染者数は増えておりますが、成人例と比較し重症例の報告は多くはありません。
小児の新型コロナウイルス感染症の症状としては発熱・乾いた咳が多く、症状だけでは普通の風邪と区別をつけるのは難しいです。成人例でよく知られている味覚・嗅覚障害は小児、特に10歳未満ではほとんどありません。イメージとしては、ある日突然38℃以上の高熱がでて翌日受診、検査したら陽性と判定され何もしなくても翌々日には解熱してしばらく咳はでますが数日で元気になる、といったケースが多いです。嘔吐・腹痛を訴えるケースもあり、おなかの症状に加えて発熱も伴う場合には、ウイルス性胃腸炎ではなくコロナ感染の可能性もあるため充分に注意が必要です。
免疫が弱いお子さんや肥満などの基礎疾患を持つお子さんに重症化する例が報告されておりますが、もともと元気な子どもはほとんどが無治療で回復します。
子どもの感染経路としてはその大部分が家庭内と報告されており、幼稚園・保育園・学校での感染例は比較的少ないです。ですから保育園などで感染者がでてしまい、万が一お子さんが濃厚接触者と判定されてしまった場合でも本人が元気で特に症状もないような場合には過剰に心配をしなくてもよいかと思います。逆に家族に感染者が出た場合には、小児も含めワクチンを済ませていない人には高確率で感染してしまいます。
以上のように小児の新型コロナウイルス感染症は大部分は軽症ですが、一部の感染者の中に注意すべきことがございます。それはMIS-C(小児多系統炎症性症候群)です。MIS-Cは8歳前後の小児に最も多く、コロナ感染後2~6週間経ってから発熱(ほぼ必発)・胃腸症状(腹痛、嘔吐、下痢)・循環器症状(血圧低下、不整脈、ショックなど)・発疹・眼球結膜充血など川崎病に似た症状を引き起こします。コロナ感染後1か月くらいして原因不明の発熱を伴う腹痛などの症状が出た場合には充分に注意が必要です。
コロナワクチンの接種によりMIS-Cの発症を減少できるとの報告もあり、この点からも当院では5歳~11歳までの小児もコロナワクチン接種の意義が充分にあると考えております。

【追記】 
2022年8月10日 日本小児科学会から小児のコロナワクチン接種について新たな声明が出されましたのでご参照ください。
☆日本小児科学会 5~17歳の小児への新型コロナウイルスワクチンについて

小児の注意すべき感染症

アデノウイルス

アデノウイルスはヒトのさまざまな臓器に感染して咽頭・扁桃炎、気管支炎・肺炎、結膜炎、胃腸炎、膀胱炎などを引き起こすウイルスで、現在67以上の型が確認されています。
アデノウイルスの型と感染する臓器には一定の関連があり、例えばプール熱などの気道感染や結膜炎は、1、2、3、4、5、7、21型、はやり眼は8、19、37型、胃腸炎は40、41型、出血性膀胱炎は11型のようにおおむね決まっておりますが、絶対的ではありません。
咽頭・扁桃炎(プール熱)では39℃~40℃近い高熱が4~5日間、長いと7日間も続き、はやり眼は結膜の強い充血と目やにが、胃腸炎は下痢、嘔吐、腹痛をきたします。迅速抗原検査キットで診断ができますが、特効薬はないため最終的には自分の免疫の力で治癒するしかありません。感染力は非常に強く咳・唾液・便などを介して感染し、しばしば保育園内・家族内で集団発生します。アルコールによる消毒効果は弱く、消毒には次亜塩素酸が有効です。厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン(2018)」によるとプール熱の登園のめやすは、「発熱、充血等の主な症状が消失した後2日を経過していること」です。この場合のカウントの仕方は熱が下がった日を0日目としてさらに翌日、翌々日お休みし、その次の日から登園が許可されるという意味です。

手足口病

手足口病は毎年夏ころに保育園児・幼稚園児を中心に流行する感染症で、口の中・手のひら・足のうら・おしり・膝・肘などに発疹のできるウイルス性の感染症です。9割以上は5歳以下の小児で占められていますが、小学生や稀に大人にも感染します。原因となるウイルスは、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなど主に「夏かぜ」の原因となるウイルスで、「手足口病ウイルス」という特定の一つのウイルスがあるわけではありません。原因となるウイルスが数種類あり、また特効薬やワクチンもないため一度罹患してもまた何度も罹患する可能性があります。手足口病の原因ウイルスにはアルコールによる消毒効果はありません。
発熱については「熱はないかあっても微熱程度」と書かれていることが多いですが、症状はその年に流行するウイルスに影響されます。ここ最近の手足口病は「ある日突然38℃~39℃を超えるくらいの高熱がでて、その時点では特に手足に発疹もなく原因不明の発熱として様子をみる。2~3日くらいして解熱しそのころになって手足に発疹がでてきて手足口病と判明する」といったケースもあり、なかなか厄介です。
感染経路は、唾液や便などを介して感染します。厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン(2018)」によると、『日常的に手洗いの励行等の一般的な予防法を実施するとともに、回復後も飛沫や鼻汁からは1~2週間、便からは数週~数か月間ウイルスが排出されるのでおむつの排便処理の際には手袋をするなどの対応を行う。罹患した場合の登園のめやすは、「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」である。感染拡大を防止するために登園を控えることは有効性が低く、またウイルス排泄期間が長いことからも現実的ではない』となっております。 登園については各保育園・幼稚園の方針に従う必要がありますが、上記の通り登園については感染力がなくなったからではなくてあくまで本人の状態によるものなので、最低でもまる1日以上は平熱であることを確認し、口内炎も消えてごはんもしっかり食べられるようになるまで回復すれば、手足に多少発疹が残っていても登園は可能であることが多いです。

RSウイルス

RSウイルスは初めての感染の場合に悪化しやすいウイルスで、毎年冬になると大流行していましたがここ数年は夏でもみられるようになり、現在日本では1年中いつでも流行する状況となっております。重症化するのは主にこのウイルスに初めて感染する1歳未満(コロナの影響で最近では必ずしもこの法則に当てはまらない例もあります)なので、検査の保険適用が1歳未満のみとなっている点がインフルエンザやアデノウイルスとの違いです。
症状の典型例として、まず咳・鼻水などの上気道症状(いわゆる風邪)が2~3日続きます。そのまま風邪症状が数日続き治っていくケースが多いのですが、約3~4割のお子さんで4~5日目からウイルスが鼻・のどから下におりてきて気管支、さらにはその奥の細気管支まで到達してゼーゼーした呼吸が始まります。さらに悪化すると酸素の数値も低くなり酸素投与が必要となり入院になるケースもあります。
また、RSウイルスは生後1か月未満の新生児に感染すると無呼吸発作を引きおこします。これは胸部の聴診では異常のない咳・鼻汁だけのときでも生じうるなかなか厄介なもので、赤ちゃんにちょっと鼻水がでてきたなと思っていたら数日して突然呼吸しなくなり全身真っ黒になる状態を繰り返すので非常に怖い症状の一つでもあります。
従来では生後1歳までに日本人の約半数以上が感染し3歳までにはほぼ全員が感染し、終生免疫はできずその後は生涯にわたり繰り返し感染するウイルスでしたが、コロナの影響で1歳をすぎても感染を経験したことのないお子さんが増えており、そのような場合には3~4歳のお子さんでも高熱が持続したり肺炎を起こしたりして重症化することがあります。
大人にも感染しますが、すでに何度か感染したことがあるであろう年長の子や成人の場合はたいていが「しつこい風邪」程度で終わってしまいます。特効薬も特にないため、風邪症状のみで元気に走り回っているような場合は、押さえつけてまで鼻に綿棒を突っ込んで抗原検査をする意義はほとんどありません。もちろん、呼吸状態が悪化したお子さんや無呼吸発作を起こしやすい生後1か月未満の新生児などは、入院の必要性などを判断するために検査をおこなうことも考慮しています。
最後にRSウイルスのポイントをまとめます。 ①初めての感染では肺炎や細気管支炎をおこしたり、新生児に感染すると無呼吸発作を起こすこともあるため子どもの風邪ウイルスの中では比較的重症度が高い ②RSウイルスはいずれは全員かかり、しかも一生の間で何度もかかる。2度目以降の感染はたいていの場合は風邪でおわる ③ワクチンも特効薬もなく、全員が重症化するわけではないので診断をしてもしなくても元気な子ならば対応や処方する薬は変わらない(対症療法のみ)。また、早めに診断をしても重症化を防ぐ方法が確立されているわけではない ④登園のめやすについては、厚生労働省のガイドラインによると、「呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」となっており明確に日数が決まっているわけではない。解熱しゼーゼーした呼吸がなくなり、咳が出なくなったら登園可能と思われる。 ⑤発症から1週間~10日間は感染性ウイルスを排出すると考えられている。 ⑥抗原迅速検査の保険は1歳未満しか適用ではなく、鼻の奥に綿棒を突っ込む検査は結構痛いので子どもにはストレスが高いと思われる
以上の点をふまえて、元気な子にやたらと不必要に検査を行うのではなく、お子さんの状態をしっかりと把握して正しく対応をすることが大事であると私は考えています。

ヒトメタニューモウイルス

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は略して「ヒトメタ」と呼ばれることもありますが、正しくはヒト・メタニューモウイルス(=human metapneumovirus)といい、存在自体は200年くらい前からあったみたいですが実際に発見されたのは2001年と最近で比較的新しいウイルスです。抗原キットによる検査が保険適用となったのも2014年とこちらもごく最近であるため、一般の人にはあまり耳馴染みのないウイルスかもしれません。
大人も含め全ての年齢の人に対して発熱・咳・鼻汁などの上気道炎や、細気管支炎・気管支炎・肺炎などの下気道炎を引き起こしますが、大部分の人は上気道炎、いわゆる風邪で終わります。しかし、初めて感染する乳幼児や高齢者などの免疫力の弱い人は重症化しやすく、重症の細気管支炎や肺炎を起こすこともめずらしくありません。残念ながら現在、特効薬もワクチンもありません。
毎年冬のRSウイルスの流行が終わったころの3~6月にかけて流行し、生後6か月頃から感染がはじまり2歳までに約半数の人が、5歳までに3/4の人が、遅くとも10歳までに全員が一度は感染するとされていますが、これもRSウイルスと同様にコロナの影響からか5~6歳ころになって初めて感染を経験し重症になるようなお子さんも比較的多くみかけるようになりました。
RSウイルスと同様に、一度の感染では終生免疫はできずに生涯にわたり繰り返し感染し、発熱の期間は比較的長く、平均で5日間くらい続きます。RSウイルスと同じような痰の多い「ゼーゼー」する呼吸となることが多いのですが、初感染の年齢がRSウイルスよりも少しだけ高いため、発熱が続いていて湿った咳をするゼーゼーする子を診察した時には、年齢が1~2歳程度までならまずRSウイルスを、それより年齢が少し上のお子さんならヒトメタニューモウイルスを私はまず第一に疑います。
ヒトメタニューモウイルスは、インフルエンザのように高熱が何日も持続する性質とRSウイルスのようにゼーゼーする呼吸になる性質の合わさったウイルスであると考えると分かりやすいかもしれません。
抗原キットにより診断が可能ですが、保険適用は「6歳未満の肺炎を疑う場合」となっています。前述の通り誰もが一度は感染するウイルスであり特効薬もないため、特に下気道炎を疑わせる症状のない元気な風邪症状のみのお子さんは、無理やり鼻に綿棒を入れて痛い検査をするメリットはあまりありません(そもそも肺炎を疑う所見のない人は保険適用外です)。
感染後ウイルスの排泄は1~2週間持続するとされていますが保育園の登園のめやすについては特に明確には決まっていません。RSウイルスと同じように「呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」をめやすに考えて、解熱しゼーゼーした呼吸がなくなり咳がおさまったら登園可能と考えてよいと思われます。

突発性発疹

準備中

ノロウイルス

準備中